高配当銘柄と株主優待をこよなく愛する自称『ハイブリット投資家』のペリカン(@Pelican_Blog )でございます。
本日も、ブログをご覧いただきありがとうございます┏○))ペコ
本日考察する銘柄は、東海カーボン(5301)です。実は本日、5年ほど持っていた1,000株のうち500株を売却しました。年間配当は30円から40円へ引き上げられ、還元方針そのものも見直されたのですが、それ以上に株価が上がってしまった、というのが売った理由です。理由の中身は記事の最後にまとめました。
東海カーボンはどんな会社?
| 会社名 | 東海カーボン株式会社 |
|---|---|
| 証券コード・市場 | 5301(東証プライム) |
| 代表者 | 代表取締役社長 長坂 一 |
| 本社所在地 | 東京都港区北青山1-2-3 青山ビル 📍 本社をストリートビューで見る |
| 設立・上場 | 1918年4月設立/1949年5月上場 |
| 連結事業構成 | カーボンブラック46%、ファインカーボン17%、スメルティング&ライニング19%、黒鉛電極12%、工業炉関連他6%(海外売上比率78%) |
| 時価総額 | 約4,206億円(1,870円×224,943,104株) |
タイヤの原料になるカーボンブラックで国内トップシェアを持つ炭素製品の大手です。半導体装置用のファインカーボン、電炉用の黒鉛電極、アルミ電解炉用のカソードと幅広く手がけ、売上の8割近くを海外で稼いでいます。
この記事の結論
年間配当は30円から40円へ、率にして33%の増配です。あわせて還元方針も「連結配当性向40%程度、または調整後DOE5%を目安(累進配当)のいずれか高い方」に変わりました。もらえる額の下限が読みやすくなったという意味で、長く持つ株主には心強い変更だと思います。
ただ、還元が厚くなった以上に株価が上がりました。1,870円という水準は、配当と優待の効率でいえば、株数を絞って様子を見たい水準だと思います。(売買の判断は必ずご自身で)
なお、記事中の利回りは、すべて基準株価1,870円(2026年9月9日)で計算しました。
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年間配当40円へ。還元方針も「配当性向40%程度」に
目標が配当性向30%から40%程度へ
2026年5月13日に株主還元方針の変更が発表されました。従来の「連結配当性向30%を目標」が、「連結配当性向40%程度、または前期末株主資本を基準とする調整後DOE5%を目安(累進配当)のいずれか高い方」に改まり、あわせて自己株式取得等を機動的に行うとしています。適用は2026年12月期からです。
ここで気をつけたいのは、「累進配当」がDOEの目安に添えられた括弧書きだという点です。減配しないと単独で宣言した文章ではありませんし、配当性向40%程度のほうが高くなる年はそちらが採用されます。累進配当という言葉だけを取り出して受け取らないほうが安全です。
会社は、為替変動のような一時的な要因に左右されない配当を実現するために調整後DOEを導入した、と説明しています。利益が落ち込んだ年でも自己資本を土台にした下限が効くぶん、配当がどこまで下がりうるかを見積もりやすくなりました。
年間配当は30円から40円へ
| 決算期 | 中間 | 期末 | 年間 |
|---|---|---|---|
| 2024年12月期 | 15円 | 15円 | 30円 |
| 2025年12月期 | 15円 | 15円 | 30円 |
| 2026年12月期(予想) | 20円 | 20円 | 40円 |
2月12日公表の当初予想は年間30円でしたが、5月13日に中間・期末それぞれ5円ずつ引き上げられ40円に。8月5日の決算短信でも変更はありません。会社予想の1株益108円73銭に対する配当性向は36.8%で、方針に掲げた40%程度の手前です。
政策保有株式は7割減らし、自己株式取得に回す
同じ日に、政策保有株式の縮減方針も示されました。2025年12月末で363億円、純資産比10%あった残高を、2028年12月末までに7割程度減らし、純資産比3%程度まで下げる内容です。売却で出た特別利益は自己株式取得に充てるとしています。
実際に5月13日の決議で11,210,700株を取得済みで、上期のキャッシュフローにも自己株式取得150億円が計上されています。方針を出しただけで終わっていない点は評価したいところです。
株主優待は12月末の年1回。100株は「1年以上」から
優待は自社オリジナルカタログギフトで、国内工場がある県の名産食品や寄付から選べます。権利確定は12月末の年1回、発送は翌年3月下旬です。
| 保有株数 | 1年未満 | 1年以上 | 3年以上 |
|---|---|---|---|
| 100株以上 | なし | 2,000円 | 3,000円 |
| 500株以上 | なし | 3,000円 | 5,000円 |
| 1,000株以上 | 3,000円 | 5,000円 | 8,000円 |
気をつけたいのは継続保有の条件です。100株と500株は1年未満だと優待がもらえず、1,000株だけが1年未満でも3,000円相当を受け取れます。しかも継続保有期間は6月末と12月末の両方の基準日で判定されるため、12月末だけ名簿に載っていても年数はカウントされません。
また、株数を10倍にしてもカタログは2.5倍前後にしかならず、優待は株数に比例して増えません。
2026年12月期第2四半期の業績
| 項目 | 2024年12月期 | 2025年12月期 | 2026年12月期(予想) |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 350,114 | 322,960 | 386,000 |
| 営業利益 | 19,386 | 25,850 | 35,000 |
| EBITDA | 61,120 | 58,443 | 72,400 |
| 親会社株主に帰属する純利益 | ▲56,485 | 20,078 | 22,000 |
| 1株益 | - | 94.1円 | 108.73円 |
| 1株配 | 30円 | 30円 | 40円 |
(単位:百万円)
良い点|上期は増収増益、通期も上方修正
数字は素直に良く、伸ばしたのは主力以外の事業でした。
- 上期売上高1,737億円(前年同期比9.9%増)、営業利益151億円(同10.5%増)
- EBITDAマージンは18.2%から19.2%へ1.0ポイント改善
- 通期予想を8月5日に上方修正。売上3,700億円・営業280億円→3,860億円・350億円
- スメルティング&ライニングはカソードRuCのライセンス料収入で営業利益が3億円→20億円
- 黒鉛電極はドイツ子会社売却の効果で60.3%増益、工業炉関連もMLCC需要で37.0%増益
気になる点|利益の伸びが株主の取り分になっていない
営業段階まで好調でも、最後に残る利益は別の姿をしています。
- 上期の親会社株主に帰属する純利益は72億円で14.0%の減益。法人税等が45億円→62億円、非支配株主の取り分が16億円→22億円へ増えたため
- 主力のカーボンブラックは増収減益。タイ新工場の減価償却費増と原料油高で営業利益11.1%減、利益率も10.8%→8.7%へ低下
- 通期純利益220億円のうち、前回予想から上積みされた100億円は多くが政策保有株式の売却益。本業だけで積み上がった数字ではない
- 2024年12月期は564億円の純損失。その理由は今回の資料に記載がない
売上の46%を占める柱が足踏みしている点は、次の四半期でも確かめておきたいところです。
財務と余力指数
2026年6月末の自己資本比率は47.0%で、前期末の47.9%から小幅に低下しました。私が好む60%以上には届きませんが、有利子負債2,083億円に対して現預金864億円、調整後ネットD/Eレシオは0.24倍で、格付けもJCRがA+、R&IがAと安定的です。設備投資が一巡し、上期のフリーキャッシュフローは前年同期の▲36億円から+36億円へ黒字転換しました。
余力指数は、高ければ高いほど良い銘柄ということですか?

そうとは限りません。稼いだ割合(ROE)から配った割合(DOE)を引いた差なので、稼いでいるのに配っていない会社ほど数字は大きく出ます。見るのは「増配や優待の拡充に回せる余地がどれだけ残っているか」です。
実績では、2025年12月期のROEが6.6%、DOEが2.1%で、余力指数は+4.5ポイント。他社と横並びで見る予想ベースでは、PBR1.25倍(1,870円÷BPS1,491円、2025年12月末)とPER17.2倍からROEが7.3%、DOEが1.25倍×2.14%で2.7%となり、余力指数は+4.6ポイントです。
どちらも+3〜+7ポイントに収まるので、東海カーボンは5段階のまん中「余力あり」です。増配の原資が尽きる水準ではないものの、飛び抜けて余裕があるわけでもありません。予想側のROEには政策保有株式の売却益が乗っているぶん、一時的にかさ上げされている点は割り引いて見ておきます。
実質総合利回りと投資指標
| 株数 | 投資金額 | 年間配当 | 実質総合利回り(1年以上) | 実質総合利回り(3年以上) |
|---|---|---|---|---|
| 100株 | 187,000円 | 4,000円 | 3.21% | 3.74% |
| 500株 | 935,000円 | 20,000円 | 2.46% | 2.67% |
| 1,000株 | 1,870,000円 | 40,000円 | 2.41% | 2.57% |
株数を増やすほど実質総合利回りは下がります。配当は株数に比例するのに優待は比例しないためで、効率でいえば100株がいちばん高くなります。1,000株だけは1年未満でも優待が出るので、初年度に限れば2.30%です。
年間受取額を4.5%で割り戻すと、100株・3年以上なら1,556円、500株・3年以上なら1,111円、1,000株・3年以上なら1,067円。いずれも基準株価1,870円を下回るので、私の基準では「そこまで待ちたい水準」ということになります。
投資指標も見ておきます。PERは会社予想の1株益108円73銭で17.2倍、四季報予想の89円0銭では21.0倍。四季報データは2026年6月17日作成で、8月5日の上方修正(純利益120億円→220億円)を織り込んでいないため差が出ています。PBRは1.25倍、配当利回りは40円÷1,870円で2.14%です。
ペリカン投資基準との照合
| 基準 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 好財務(自己資本比率60%以上) | △ | 47.0%。有利子負債2,083億円に対し現預金864億円だが、調整後ネットD/Eレシオは0.24倍 |
| 配当利回り4%超 | ✕ | 2.14%。増配後の40円で計算しても届かない |
| PER15倍以下 | ✕ | 会社予想で17.2倍、四季報予想で21.0倍 |
| ROE(8%超で⭕️、10%超で◎) | △ | 2025年12月期実績6.6%、2026年12月期予想6.8% |
| 余力指数(ROE−DOE) | △ | 実績+4.5pt、予想+4.6pt。5段階では「余力あり」 |
| 実質総合利回り4.5%超 | ✕ | 最も効率の良い100株・3年以上でも3.74% |
合格はゼロ、△が3つでした。財務・ROE・余力指数は「悪くはないが物足りない」水準にとどまり、配当利回り・PER・実質総合利回りは基準に届いていません。増配はうれしい一方で、株価の上昇がそれ以上に速かった、というのが数字の示すところです。
ペリカンの結論
持っていて良いと思える理由は、還元の方向がはっきりしたことです。配当性向40%程度と調整後DOE5%のいずれか高い方を選ぶ方針を示し、政策保有株式を3年で7割減らして自己株式取得に回すところまで踏み込みました。上期は増収増益で通期も上方修正、フリーキャッシュフローも黒字に戻っています。長く持つ前提なら、下限が読みやすくなった意味は小さくありません。
それでも株数を増やす気にはなれません。配当利回りは2.14%、実質総合利回りは最も効率の良い100株・3年以上でも3.74%で、私の基準の4.5%には遠く届きません。PER17.2倍、ROE7%前後、余力指数+4.6ポイントはいずれも平凡ですし、自己資本比率47.0%と有利子負債2,083億円も手放しでは評価しづらい水準です。通期の純利益に売却益が乗っている点も、割り引いて考える必要があります。
冒頭で触れたとおり、本日1,000株のうち500株を売りました。理由は2つです。
- 500株にかかる93万5,000円に対し、増える受取額は配当2万円+優待3,000円の2万3,000円。率にして2.46%にとどまる
- 株価が上がったぶん利回りが下がり、同じ資金をもっと利回りの高い銘柄に回したかった
1,870円という水準は、配当と優待の効率でいえば、株数を絞って様子を見たい水準だと思います。(売買の判断は必ずご自身で)ゼロにしなかったのは、新しい還元方針が実際の配当としてどこまで積み上がるかを、株主のまま見届けたいからです。
ちなみに私ペリカンは、残した500株を引き続き長期保有する予定♪
📚 最後までお読みいただきありがとうございました
『世界一やさしい 高配当・優待株の教科書 1年生』
自己資本比率・営業CF・配当性向。どの数字をどう見れば危ない会社を避けられるのか、決算書の読み方をやさしく解説しています。
(※あくまで個人の見解です。投資判断はご自身の責任でお願いします!)
出典
- 東海カーボン「2026年12月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年8月5日)
- 東海カーボン「2026年12月期第2四半期 決算説明会資料」(2026年8月6日)
- 東海カーボン「株主還元方針の変更、配当予想の修正(増配)及び政策保有株式の縮減方針に関するお知らせ」(2026年5月13日)
- 東海カーボン「株主・投資家情報(株主優待制度)」


