高配当銘柄と株主優待をこよなく愛する自称『ハイブリット投資家』のペリカン(@Pelican_Blog )でございます。
本日も、ブログをご覧いただきありがとうございます┏○))ペコ
今回は、GMSグループ(544A)についてです。
もともと私は、配当利回り5%超の高配当株としてTOYOイノベックスを500株保有していました。ところが2026年4月1日の経営統合で、この500株がGMSグループの755株に切り替わり、そして8月10日に発表された初めての決算が、営業赤字・期末配当未定という内容でした。
結論から申し上げますと、755株すべて売却しました。
「高配当株として買ったはずなのに、配当がいくらか分からない銘柄になってしまった」というのが、いちばん大きな理由です。以下、決算短信の数字を追いながら、なぜそう判断したのかを整理していきます。
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🏢 GMSグループ(544A)の会社概要
| 会社名 | GMSグループ株式会社 |
|---|---|
| 証券コード | 544A |
| 上場市場 | 東証プライム |
| 代表者 | 代表取締役会長兼CEO 依田 穂積 氏 |
| 設立 | 2026年4月1日(共同株式移転による持株会社) |
| 事業内容 | プラスチック射出成形機・関連商品、ダイカストマシン及び周辺自動機の製造・販売 |
| 決算期 | 3月 |
| 株価 | 339円(2026年8月12日 14時39分時点) |
| 発行済株式数 | 70,934,220株(うち自己株式1,541,540株) |
| 時価総額 | 約240億円(339円×発行済株式数で試算) |
日精樹脂工業とTOYOイノベックスが、2026年4月1日に共同株式移転で作った持株会社です。両社とも成形関連機械の専業メーカーで、今回の決算がグループとして初めての決算になります。
🔄 500株が755株になった経緯
まず、株式移転比率のおさらいです。
| 旧銘柄 | 移転比率 |
|---|---|
| 日精樹脂工業 普通株式1株 | GMSグループ 2.00株 |
| TOYOイノベックス 普通株式1株 | GMSグループ 1.51株 |
私が保有していたのはTOYOイノベックスの500株でしたので、
500株 × 1.51 = 755株
という計算で、GMSグループの755株になりました。ちょうど割り切れたので端株は発生していません。
ここが今回の話のポイントなのですが、私はGMSグループを自分で選んで買ったわけではありません。「5%超の高配当株」としてTOYOイノベックスを買ったら、気づけば別の会社の株主になっていた、という状態です。
📉 初決算の中身(2027年3月期 第1四半期)
2026年8月10日に発表された、2027年3月期第1四半期(2026年4月1日~6月30日)の決算です。
| 項目 | 1Q実績 |
|---|---|
| 売上高 | 169億42百万円 |
| 営業損益 | △6億39百万円 |
| 経常損益 | △2億31百万円 |
| 親会社株主に帰属する四半期純利益 | 61億10百万円 |
| 1株当たり四半期純利益 | 88円05銭 |
営業赤字なのに純利益が61億円。数字だけ見ると不思議ですが、中身はこうなっています。
- 営業損失 △6億39百万円(部材価格の高騰、円安による調達コスト増)
- 受取利息及び配当金3億37百万円などを計上し、経常損失は △2億31百万円
- ここに負ののれん発生益65億96百万円が特別利益として乗り、純利益61億10百万円
つまり、純利益61億円のほぼ全額が、統合にともなう会計上の一過性の利益です。現金が入ってきたわけではありません。
製品別・セグメント別
| 区分 | 売上高 | セグメント損益 |
|---|---|---|
| 日本 | 42億42百万円 | △2億61百万円 |
| 欧米地域 | 47億43百万円 | △2億12百万円 |
| アジア地域 | 79億55百万円 | △1億11百万円 |
3地域すべてが赤字です。どこか1つが足を引っ張っている、という形ではありません。製品別では射出成形機が126億33百万円、ダイカストマシンが9億33百万円、サービス・部品が33億76百万円でした。
📊 通期予想と、そのハードル
| 項目 | 第2四半期累計 | 通期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 394億50百万円 | 810億円 |
| 営業利益 | 3億40百万円 | 12億70百万円 |
| 経常利益 | 4億10百万円 | 14億10百万円 |
| 純利益 | 67億10百万円 | 72億30百万円 |
| 1株当たり当期純利益 | 96円70銭 | 104円19銭 |
ここで自分なりに検算してみます。
①売上の進捗率
169億42百万円 ÷ 810億円 = 20.9%。1四半期分としてはほぼ計算どおりです。
②第2四半期単独で必要な営業利益
2Q累計予想3億40百万円 −(1Q実績△6億39百万円)= 9億79百万円。
1Qが6億円の赤字だったところから、次の3か月で約10億円の営業黒字を出す計算になります。この振れ幅は、正直かなり大きいと感じました。
③純利益から一過性要因を抜くと
通期純利益予想72億30百万円 − 負ののれん発生益65億96百万円 = 6億34百万円。
これを期中平均株式数69,393,365株で割ると、実質のEPSは約9.1円です。
株価339円で計算すると、
- 表面上のPER:339円 ÷ 104.19円 = 約3.3倍
- 負ののれんを除いた実質PER:339円 ÷ 9.1円 = 約37倍
「PER3倍台の激安株」に見えてしまうのですが、中身を抜くと37倍。ここは間違えたくないところです。
💰 配当:ここがいちばんの問題でした
| 2027年3月期 | 配当金 |
|---|---|
| 第2四半期末(中間) | 5円00銭(予想) |
| 期末 | 未定 |
| 年間合計 | 未定 |
確定しているのは中間の5円だけです。株価339円に対して、5円 ÷ 339円 = 0.5%弱。年間の配当利回りは、期末が未定である以上、計算のしようがありません。
ここが私にとって決定的でした。私がTOYOイノベックスを保有していた理由は「配当利回り5%超の高配当株だから」です。その前提が、会社そのものの入れ替わりによって「年間いくらもらえるか分からない」に変わってしまったわけです。
会社側の言い分も見ておきます
フェアに書いておくと、会社側は期末配当を未定とした理由をきちんと説明しています。
- 経営統合後のグループ戦略、成長投資の精査、財務体質の強化、株主還元とのバランスを総合的に検討している段階
- 現時点では配当予想の合理的な算定が困難
- 配当方針は、第1次中期経営計画の公表にあわせて開示する予定(2026年11月を予定)
統合初年度で、しかも取得原価の配分すら完了していない(負ののれんの金額も暫定値です)段階ですから、この説明自体は理解できます。「隠している」のではなく「まだ決められない」のだと思います。
ただ、それは会社の事情としては正しくても、高配当株として保有している私の事情とは合わない、というだけの話です。
⚠️ 財務面で気になった点
| 項目 | 金額・数値 |
|---|---|
| 総資産 | 1,224億72百万円 |
| 純資産 | 619億50百万円 |
| 自己資本比率 | 49.9% |
| 現金及び預金 | 152億85百万円 |
| 短期借入金 | 277億90百万円 |
| 1年内返済予定の長期借入金 | 29億73百万円 |
| 長期借入金 | 81億2百万円 |
| 棚卸資産(商品・製品+仕掛品+原材料) | 446億8百万円 |
1. 自己資本比率49.9%
私の好みは60%以上ですので、ここは届いていません。50%を1歩割り込んだ水準です。
2. 借入金の合計は約388億円
277億90百万円+29億73百万円+81億2百万円=388億65百万円。現金152億85百万円を差し引いても、実質約235億円の借入超過です。時価総額240億円とほぼ同じ規模、という点は頭に入れておきたいところです。
3. 棚卸資産が446億円
総資産1,224億円のうち、36%が在庫です。受注生産の設備機械メーカーですのである程度は業種特性ですが、設備投資が慎重なままだと、この在庫が重くなる可能性はあります。
4. 良い点も書いておきます
BPS(1株当たり純資産)は、自己資本610億64百万円 ÷ 自己株控除後69,392,680株 = 約880円。株価339円に対してPBRは約0.39倍です。資産面から見れば明確に割安で、ここは正直、売却をためらった部分でもあります。
📉 株価の反応
| 前日終値(8月10日) | 358円 |
|---|---|
| 始値(8月12日 09:06) | 340円 |
| 高値 | 340円 |
| 安値(09:18) | 325円 |
| 現在値(14:39) | 339円(前日比 −19円、−5.31%) |
| 出来高 | 1,424,200株 |
決算発表が8月10日、11日は祝日で休場、そして12日に−5.31%。始値からいきなり18円安で寄り付き、9時18分には325円まで売られました。出来高も膨らんでいます。
「PER3倍台」に見える決算を出しても、これだけ売られる。市場も、負ののれん抜きの実力と、配当未定という部分を見ているのだと思います。
✅ ペリカン投資基準との照合
| 基準 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 好財務 | ✕ | 自己資本比率49.9%、借入金388億円 |
| 配当方針が明確 | ✕ | 期末・年間ともに未定 |
| 中期経営計画 | ✕ | 2026年11月に開示予定。現時点では判断材料なし |
| 配当利回り4%超 | ✕ | 確定は中間5円のみ。年間利回りは算出不能 |
| PER15倍以下 | △ | 表面3.3倍だが、負ののれんを除くと約37倍 |
| 稼ぐ力(ROE等) | ✕ | 1Qは3地域すべてがセグメント赤字 |
| (参考)PBR | ⭕️ | 約0.39倍。資産面では割安 |
基準との照合が、ここまできれいに✕で並ぶのは珍しいです。
📝 ペリカンの結論
投資判断:755株すべて売却 ✕
売却した理由を、あらためて3つに整理します。
①買った理由が消えた
私がTOYOイノベックスを500株買ったのは、配当利回り5%超の高配当株だったからです。統合後のGMSグループは、年間配当がいくらになるか分からない銘柄です。買った理由が残っていない以上、持ち続ける理由もありません。
②「安く見える」のが会計上の一過性利益によるもの
表面PER3.3倍は、負ののれん発生益65億96百万円が乗った結果です。これを除くと約37倍。しかもこの負ののれんは、取得原価の配分が未完了で暫定的に算定された金額とされています。今後変わる可能性がある数字の上に、投資判断を置きたくありませんでした。
③本業が3地域とも赤字
日本・欧米・アジアのすべてでセグメント損失。会社側も「設備投資に対する慎重な姿勢が見られる」と書いており、統合効果が出るまでにはまだ時間がかかりそうです。その間、配当がいくらか分からないまま待つのは、私のやり方ではありません。
迷った点も正直に書いておきます
PBR0.39倍という水準は、たしかに魅力的です。11月の中期経営計画で明確な配当方針が示され、それが相応の水準であれば、株価は見直される可能性があります。実際、「11月まで待つ」という選択肢は最後まで頭にありました。
それでも売却したのは、「配当方針が出るまで待つ」というのは、根拠のある投資ではなく期待でしかないと考えたからです。11月に良い方針が出たなら、そのときにあらためて検討すれば済む話です。私は、配当がいくらか分かっている銘柄を、分かっている状態で買いたいのです。
結論:撤退。11月の中期経営計画と配当方針は、株主でなくなった立場から見守ります。
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『世界一やさしい 高配当・優待株の教科書 1年生』
高配当株は「買うとき」より「手放すとき」のほうが難しい、と私は思っています。どういう状態になったら売るのか。その判断基準の作り方を含めて、高配当株の選び方・増配銘柄の見極め方・配当再投資まで1冊にまとめました。10万円から始められます。
(※あくまで個人の見解です。投資判断はご自身の責任でお願いします!)
出典
- GMSグループ株式会社「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」2026年8月10日
- 株価データ:2026年8月12日 14時39分時点
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