高配当銘柄と株主優待をこよなく愛する自称『ハイブリット投資家』のペリカン(@Pelican_Blog )でございます。
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キムラユニティー(9368)をどう判断したか
キムラユニティー(9368)は愛知県が地盤の物流会社です。トヨタ自動車向けの部品包装を主力に、カーリースや車両整備、システム開発、人材派遣まで手がけています。今回は2027年3月期第1四半期決算と、おこめ券の株主優待を確認しました。
先に結論を書きます。この銘柄は200株からが本番です。優待の最低単位が2単元(200株)なので、100株では優待がもらえません。基準株価954円で計算すると、100株の実質総合利回りは配当だけの3.98%。ところが200株にすると4.91%まで跳ね上がります。
財務は自己資本比率62.0%、借入金より現金のほうが多い実質無借金。「実質総合利回り4.5%超かつ財務良好」という私の買い判断の条件を、いまの株価で満たしています。なお記事中の利回りは、すべて基準株価954円(2026年8月31日)で計算しました。
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キムラユニティー(9368)はどんな会社か
| 証券コード/市場 | 9368/東証スタンダード・名証プレミア |
|---|---|
| 代表者 | 代表取締役社長 増田 賢宏 |
| 本社所在地 | 愛知県名古屋市中区錦3-8-32 📍 本社をストリートビューで見る |
| 設立/上場 | 1973年10月/1995年3月 |
| 決算期 | 3月 |
| 時価総額 | 415億円(2026年4月30日時点) |
| 事業構成(26年3月期) | 物流71%/モビリティ23%/情報4%/人材2% |
売上の7割を占めるのが物流サービスで、最大の販売先はトヨタ自動車です。残りはカーリースや車両整備を行うモビリティサービス、システム開発の情報サービス、人材派遣の人材サービスと続きます。自動車産業の周辺に、複数の収益源を並べた構造です。
株主優待はおこめ券。200株から
もらえるのは1枚440円分のおこめ券
優待品はおこめ券です。1枚につき440円分のお米などと交換でき、全国の米穀店・スーパー・百貨店で使えます。有効期限はありません。
ここで1つ注意があります。おこめ券はおつりが出ません。440円ちょうどの買い物をすることは少ないので、実際は440円より多めに買って差額を現金で払う使い方になります。額面どおりの価値を受け取れるかは使い方次第という点は、頭に入れておいてください。以下の計算は額面の440円で行っています。
保有株数別・年間の受取額
| 所有株式数 | 継続保有 | 1回あたり | 年間受取額 |
|---|---|---|---|
| 200株以上1,000株未満 | 条件なし | 2枚/880円 | 1,760円 |
| 1,000株以上2,000株未満 | 2年未満 | 3枚/1,320円 | 2,640円 |
| 1,000株以上2,000株未満 | 2年以上 | 5枚/2,200円 | 4,400円 |
| 2,000株以上 | 2年未満 | 5枚/2,200円 | 4,400円 |
| 2,000株以上 | 2年以上 | 7枚/3,080円 | 6,160円 |
基準日は3月31日と9月30日の年2回です。上の年間受取額は「1回あたりの金額×2回」で計算しました。200株で年1,760円、2,000株を2年以上持ったときの年6,160円が上限になります。
長期優待の条件は「連続5回以上」
長期優待の条件は、中間期末日と期末日の株主名簿に同一株主番号で連続5回以上記載されることです。基準日が年2回なので、5回目に到達するのは最初の基準日から丸2年後。会社の案内で「2年以上」と表記されているのはこのためです。
ただし長期優待の加算があるのは1,000株以上の区分だけで、200株保有では何年持っても枚数は増えません。ここは押さえておきたいところです。
優待をもらうための実務ポイント
- 基準日は3月31日と9月30日。どちらの回も200株以上を保有していれば対象になります
- 優待の最低単位は2単元(200株)。100株では対象外です
- 長期優待の条件は「同一株主番号で連続5回以上」。証券口座を移すと株主番号が変わる可能性があるので、狙う場合は移管の時期に注意が必要です
- おこめ券に有効期限はありませんが、取り扱っていない店舗もあります
配当は連続増配。27年3月期は38円予想
配当は増配が続いています。24年3月期27.5円、25年3月期31.5円、26年3月期34円と伸び、27年3月期は38円の予想。四季報では28年3月期も38円を見込んでいます。
| 決算期 | 1株配当 | 1株利益 | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| 24年3月期 | 27.5円 | 72.1円 | 38.1% |
| 25年3月期 | 31.5円 | 77.5円 | 40.6% |
| 26年3月期 | 34.0円 | 77.9円 | 43.6% |
| 27年3月期(予) | 38.0円 | 93.6円 | 40.6% |
| 28年3月期(四季報予) | 38.0円 | 98.5円 | 38.6% |
配当性向は38〜44%のレンジで推移していて、無理に絞り出している水準ではありません。26年3月期のDOE(純資産配当率)は3.4%です。27年3月期の内訳は中間19円・期末19円で、第1四半期決算の時点でも配当予想の修正はありませんでした。
配当の履歴を見たら、25年3月期の期末が33円で、その次の中間が17円でした。半分に減っていませんか?

間に株式分割が入ったためで、減配ではありません。1株が2株になったので、分割前の33円は分割後の16.5円に相当します。上の表は分割後ベースに揃えてあります。
※上の表の1株配当・1株利益は、四季報の分割修正後の数値を使いました。分割の実施日は今回の資料には記載がありません。
2027年3月期1Qは増収増益。進捗も順調
| 項目 | 26年3月期1Q | 27年3月期1Q | 増減率 | 通期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 15,125 | 16,502 | +9.1% | 66,000 | 25.0% |
| 営業利益 | 1,102 | 1,343 | +21.8% | 5,100 | 26.3% |
| 経常利益 | 1,260 | 1,640 | +30.2% | 5,900 | 27.8% |
| 純利益 | 740 | 1,119 | +51.3% | 3,850 | 29.1% |
単位は百万円です。まず良かった点から。売上高は前年同期比9.1%増の165億円。牽引したのは物流サービスで、主要顧客からの受注量が増え、売上119億44百万円(同13.1%増)、セグメント利益14億26百万円(同19.3%増)と伸びました。経常利益の30.2%増には、持分法による投資利益が1億46百万円から2億47百万円へ増えたことも効いています。通期予想に対する進捗は売上25.0%、営業利益26.3%、経常利益27.8%で、いずれも4分の1を上回りました。
気になる点は3つあります。1つ目は人材サービスで、受注量の減少により売上4億21百万円(同12.5%減)、セグメント利益10百万円(同48.3%減)と落ち込みました。2つ目は情報サービスで、増収だったものの原価率の悪化でセグメント利益は71百万円(同19.1%減)。3つ目は純利益の伸び方です。51.3%増と見栄えはしますが、投資有価証券売却益32百万円と、税負担率の低下(前年同期35.7%→28.7%)が乗った数字で、本業の増益率21.8%とは開きがあります。
会社は通期予想を据え置きました(2026年4月27日公表分から変更なし)。1Qの中身を見るかぎり、下振れをすぐ心配する内容ではなさそうです。
財務は堅い。余力指数は「余力あり」
自己資本比率は27年3月期1Q末で62.0%。私が目安にしている60%を超えています。借入金は短期6億39百万円と1年内返済予定の長期20億円で合計26億39百万円。これに対して現金及び預金は120億18百万円あり、実質無借金の状態です。26年3月期の営業キャッシュフローは36億74百万円でした。
続いて余力指数を計算します。26年3月期の実績はROE 7.7%、DOE 3.4%なので、余力指数は+4.3pt。基準株価954円で予想ベースに揃えると、PBRは0.88倍(27年3月期1Q末のBPS 1,081.90円で計算)、予想PERは10.2倍で、ここからROE 8.7%、DOE 3.5%が算出され、余力指数は+5.1ptになります。実績も予想も、5段階では真ん中の区分に入ります。
キムラユニティーは真ん中の「余力あり」です。稼いだうち会社に残る分はそれなりにあり、増配を続ける体力はある。ただし飛び抜けて余力が大きいわけでもない、という位置づけになります。
余力指数は、大きければ大きいほど良い銘柄ということですか?

そうとは限りません。稼いでいるのに配っていない会社ほど数値は大きく出ます。配当利回りが低い銘柄が上位に並ぶこともあるので、利回りとセットで見てください。
実質総合利回りと投資指標
基準株価は2026年8月31日時点の954円で計算します。27年3月期の予想EPS 93.64円からPERは10.2倍、1Q末のBPS 1,081.90円からPBRは0.88倍。配当利回りは38円÷954円で3.98%です。なお四季報には予想配当利回り4.30%とありますが、これは四季報作成時点の株価で計算された数字なので、ここでは使いません。
| 保有株数 | 投資額 | 年間配当 | 年間優待 | 実質総合利回り |
|---|---|---|---|---|
| 100株 | 95,400円 | 3,800円 | 0円 | 3.98% |
| 200株 | 190,800円 | 7,600円 | 1,760円 | 4.91% |
| 1,000株(2年未満) | 954,000円 | 38,000円 | 2,640円 | 4.26% |
| 1,000株(2年以上) | 954,000円 | 38,000円 | 4,400円 | 4.44% |
| 2,000株(2年未満) | 1,908,000円 | 76,000円 | 4,400円 | 4.21% |
| 2,000株(2年以上) | 1,908,000円 | 76,000円 | 6,160円 | 4.31% |
結果ははっきり出ました。優待の付かない100株は3.98%、200株にすると4.91%。差は0.93ポイントもあります。そこから先は株数を増やしても優待の増え方が投資額の増え方に追いつかず、利回りは下がっていきます。この銘柄の効率が最も良いのは200株です。
長く持てばさらに増える設計もあります。ただし長期優待の対象は1,000株以上です。1,000株を2年以上持つとおこめ券が年2,640円分から4,400円分に増え、利回りは4.26%から4.44%へ。2,000株なら4.21%が4.31%へ上がります。上がり幅は0.1〜0.2ポイントほどで、200株の4.91%を超えることはありません。200株は何年持っても枚数が変わらない代わりに、いちばん効率が良い、という設計です。
4.5%を維持できる株価も逆算しておきます。200株の年間受取額9,360円を4.5%で割ると208,000円、1株あたり1,040円。基準株価954円はこれより下なので、1,040円までなら買ってよい上限株価ということになります。100株だけの場合は年3,800円÷4.5%で844円。こちらは今より1割以上安くなるのを待つ計算になります。
ペリカン投資基準との照合
| 基準 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 好財務(自己資本比率60%以上) | ⭕️ | 62.0%。借入金26億円に対し現金120億円で実質無借金 |
| 配当利回り4%超 | △ | 3.98%(954円ベース)。あと一歩 |
| PER15倍以下 | ⭕️ | 10.2倍。PBRも0.88倍と1倍割れ |
| ROE(8%超で⭕️、10%超で◎) | ⭕️ | 予想8.7%で8%超え。実績は7.7% |
| 余力指数(ROE−DOE) | ⭕️ | 予想+5.1pt。5段階では「余力あり」 |
| 実質総合利回り4.5%超 | ⭕️ | 200株で4.91%。ただし100株では3.98% |
財務・割安さ・実質総合利回りは合格。ROEも予想8.7%で私の合格ライン8%は超えました。ただし◎をつける10%にはあと一歩で、配当利回り単体が4%にわずかに届かないところと合わせて、そこが物足りない部分です。
ペリカンの結論
投資判断は「200株なら持っていて良い。ただし、それ以上には増やさない」としました。この銘柄でいちばん効率の良い持ち方が200株で、そこから動かす理由が見当たらないからです。
200株を持っていて良いと考える理由は2つあります。1つは実質総合利回りです。200株で4.91%は、私の打診買いライン4.5%を上回っています。4.5%を割り込むのは株価が1,040円を超えてからなので、954円という水準にはまだ余裕があります。もう1つは財務。自己資本比率62.0%、実質無借金、営業キャッシュフローも36億円台で安定しています。減配や優待改悪をすぐ心配するような状態ではありません。
それでも買い増さない理由も2つあります。1つは、株数を増やすと利回りが落ちることです。次に優待が増えるのは1,000株からですが、そこまで買っても4.26%と、いまの4.91%を下回ります。2年持って長期優待が付いても4.44%止まりです。もう1つは稼ぐ力と還元余地。ROEは予想8.7%で私の合格ライン8%は超えたものの、文句なしの◎と言える10%には届いていません。PBR0.88倍という1倍割れは割安の証拠でもありますが、裏を返せば資本を効率よく使えていないと市場に見られているということです。余力指数+5.1ptも全体の中央値並みで、余力たっぷりとは言えません。連続増配は続いているものの、四季報予想では28年3月期の配当が38円で横ばい。増配ペースが一度止まる可能性は頭に入れておきたいところです。
加えて、自動車産業への集中もあります。販売先はトヨタ自動車で、決算短信でも米国の追加関税措置によるサプライチェーン全体のコスト圧迫に触れられていました。国内物流の受注が伸びているうちは良いのですが、この構造はリスクとして意識しておきたいです。
まとめると、この銘柄は200株がちょうど良い。増やせば利回りが下がり、減らせば優待が消えます。しばらくは配当とおこめ券を受け取りながら、静かに持っておきたい銘柄です。
ちなみに私ペリカンも、200株保有中です♪
📚 最後までお読みいただきありがとうございました
『世界一やさしい 高配当・優待株の教科書 1年生』
今回のように「何株買えば一番おいしいのか」を出す手順、配当と優待を足した実質総合利回りの考え方、そして自己資本比率や営業CFで危ない会社を避ける方法を1冊にまとめました。
(※あくまで個人の見解です。投資判断はご自身の責任でお願いします!)
出典
- キムラユニティー株式会社「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」2026年7月30日
- キムラユニティー株式会社 IR情報「株主優待」
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