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フジコピアン(7957)配当40円→170円へ大幅増配|利回り6.74%でも買わない理由

フジコピアン(7957)配当40円→170円へ大幅増配|利回り6.74%でも買わない理由

高配当銘柄と株主優待をこよなく愛する自称『ハイブリット投資家』のペリカン(@Pelican_Blog )でございます。
本日も、ブログをご覧いただきありがとうございます┏○))ペコ

今回はフジコピアン(7957)です。2026年8月10日に第2四半期(中間期)決算が発表され、あわせて通期予想と配当予想が上方修正されました。年間配当は前期40円から170円へ。基準株価2,523円(2026年8月17日時点)で計算すると配当利回りは6.74%という、目を疑うような数字です。

先に結論を書いておきます。ペリカンの投資判断は「購入見送り」です。利回りもPERも財務も基準はクリアしているように見えるのに、なぜ買わないのか。ブログでずっと書いてきた自分の基準と照らし合わせながら、理由を丁寧に書いていきます。

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🏢 会社概要

会社名 フジコピアン株式会社
証券コード 7957(東証スタンダード・福証本則)
業種 その他製品
代表者 代表取締役社長 佐々木 敏樹
本社所在地 大阪市西淀川区御幣島五丁目4番14号
創立 1950年(2030年に創業80周年)
事業内容 印字記録媒体および事務用消耗品関連事業(サーマルトランスファーメディア、インパクトリボン、テープ類、機能性フィルム)/プラスチック成形関連事業
決算期 12月
発行済株式数 1,789,487株(自己株式242,551株を含む/2026年6月末)
時価総額 約45.1億円(2,523円×1,789,487株でワタシが試算)
株主優待 今回の資料では確認できず【要確認】
公式サイト https://www.fujicopian.com/

バーコードラベルなどに使われるサーマルトランスファーメディア(TTM)が主力の会社です。中間期の売上構成でいうとTTMが27億7千6百万円と全体の約6割を占めており、ここが会社の屋台骨になっています。

📢 今回の主題:中間期で黒字転換、配当は40円→170円へ

2026年8月10日発表の第2四半期(中間期)決算は、前年同期の赤字から一転して黒字となりました。

項目 26.12期中間 25.12期中間 前年同期比 通期進捗率
売上高 4,671百万円 4,101百万円 +13.9% 48.2%
営業利益 197百万円 △192百万円 黒字転換 56.3%
経常利益 236百万円 △199百万円 黒字転換 65.6%
中間純利益 1,195百万円 △191百万円 黒字転換 95.6%
自己資本比率 63.6% 57.4%
(25.12期末)
+6.2pt

ここで純利益の進捗率だけ95.6%と突出している点に、まず目を留めてください。これは本業が絶好調だからではありません。中間期に投資有価証券売却益10億5千8百万円を特別利益として計上したためです。この一点が、今回の記事のほぼすべてを説明します。

品目別の売上高(中間期)

品目 26.12期中間 25.12期中間 前年同期比
サーマルトランスファーメディア 2,776百万円 2,535百万円 +9.5%
インパクトリボン 599百万円 388百万円 +54.5%
テープ類 757百万円 658百万円 +15.1%
機能性フィルム 207百万円 217百万円 △4.6%
プラスチック成形 222百万円 171百万円 +29.5%

機能性フィルム以外はすべて増収です。とくに縮小市場と言われ続けてきたインパクトリボンが+54.5%というのは意外でした。会社は競合他社からのシェア奪取と説明しています。

配当は40円→170円へ

決算期 1株配当 連結配当性向
2021年12月期 65円 27%
2022年12月期 97円 30.3%
2023年12月期 40円 0%(純損失)
2024年12月期 78円 30.0%
2025年12月期 40円 0%(純損失)
2026年12月期(会社予想) 170円 約20.9%(試算)

配当性向は170円÷1株当たり当期純利益814.51円=約20.9%と試算。会社の基本方針は「連結配当性向30%以上、ただし下限を連結DOE1.0%」ですので、今期予想は方針の30%を下回る計算になります。この点の会社側の説明は、8月10日に同時発表された配当予想修正のリリースで確認が必要です【要確認】。

もうひとつ、見落としてはいけない注記があります。決算短信には「未行使の新株予約権350,500株がすべて当期中に行使されたと仮定した場合の期末配当金は139.00円となる」と明記されています。つまり170円は確定額ではなく、希薄化次第で下がりうる数字です。

📅 実務ポイント

  • 権利確定月:12月末(2026年12月期は第2四半期末配当0円、期末170円の年1回のみ)
  • 配当支払開始予定日:決算短信時点では「―」(未定)
  • 半期報告書提出予定日:2026年8月10日
  • 売買単位:100株。基準株価2,523円で仮に100株買うなら投資額252,300円
  • その場合の年間配当:170円×100株=17,000円(税引前)
  • 新株予約権が全行使された場合、期末配当は139円=100株で13,900円(税引前)
  • 2025年12月31日の基準日で東証の上場維持基準(流通株式時価総額)に不適合。2026年より改善期間に入っています

💪 業績|良いと感じた点

1. 本業が確かに回復している

営業利益は前年同期の△192百万円から+197百万円へ。会社はコスト削減、価格転嫁、前期の減損による償却費減少を要因に挙げています。売上も+13.9%と伸びており、数字の中身として本業の回復は本物だと見ています。

2. 自己資本比率63.6%は文句なし

前期末57.4%から63.6%へ改善しました。ワタシの好みである60%以上をクリアしています。政策保有株式の売却で得た資金が入ったことと、純資産が86億7百万円へ増えたことが効いています。

3. 実質的にはネットキャッシュ

現金及び預金39億2千8百万円に対し、有利子負債(1年内返済長期借入634百万円+長期借入1,600百万円+リース債務85百万円)は23億2千万円。差し引き約16億円のネットキャッシュ状態です。負債は前期末比で9億7千2百万円減っており、財務の安全度はかなり上がりました。

4. 営業CF11億3千7百万円

前年同期比で8億4千7百万円の増加。前期通期の営業CFが1億1百万円だったことを思えば、大きな改善です。

5. 利益剰余金がプラスに復帰

前期末△4億2千6百万円だった利益剰余金が、中間期末には+18億4千4百万円に。同時に資本剰余金が29億9千5百万円から18億5千5百万円へ減っていますので、資本剰余金を原資とした欠損填補が行われたものと読み取れます(詳細は該当の開示で【要確認】)。純資産全体への影響は中立ですが、配当を出せる状態に戻したという意味は大きいです。

⚠️ 業績|気になる点

1. 利益の大半が「株を売った利益」

これが最大の論点です。中間純利益11億9千5百万円に対し、投資有価証券売却益は10億5千8百万円。営業利益は1億9千7百万円にすぎません。通期予想でも純利益12億5千万円に対して営業利益は3億5千万円です。

会社は中期経営計画で「2026年12月期中を目処に政策保有株式(上場企業)の保有ゼロに向けた売却を進め、内部留保の充実、配当原資の確保ならびに資金の確保に努める」と明言しています。170円の配当は、この売却益を原資とした配当と考えるのが自然です。

そして政策保有株式は2025年12月末時点で時価総額約13億円・含み益約8億円。売り切れば、この打ち出の小槌は終わります。

2. 3年連続の営業赤字からの回復途上

決算期 売上高 営業利益 純利益 1株益 1株配当
23.12期 8,225百万円 △774百万円 △856百万円 △559.4円 40円
24.12期 8,984百万円 △15百万円 397百万円 259.9円 78円
25.12期 8,475百万円 △230百万円 △2,701百万円 △1,765円 40円
26.12期予 9,700百万円 350百万円 1,250百万円 814.51円 170円

2023年12月期から3年連続で営業赤字です。2025年12月期は減損24億7千5百万円を計上して当期純損失27億1百万円。売上高営業利益率も△2.7%でした。今期予想の営業利益率は3.6%(350÷9,700)で、まだ「元に戻った」段階ですらありません。

3. 会社予想と四季報予想の乖離

項目 25.12期実績 会社予想
(26/5/15)
会社予想
(26/8/10)
四季報予想
(26/6/17)
売上高 8,475 9,400 9,700 9,400
営業利益 △230 150 350 180
経常利益 △162 160 360 190
純利益 △2,701 600 1,250 610
1株配当 40円 170円 118円

※単位:百万円。四季報は2026年6月17日作成のため、8月10日の上方修正は反映されていません。

四季報予想は8月10日の修正前のものですので乖離は当然ですが、四季報の2027年12月期予想が売上9,300百万円・純利益120百万円・1株益78.3円である点を、ワタシは重く見ています。四季報は27.12期も配当118円を予想していますが、1株益78.3円に対して118円の配当は配当性向150%超。利益では配当を賄えない状態を意味します。

4. 上場維持基準への不適合

流通株式時価総額が東証の上場維持基準に届いておらず、2026年から改善期間に入っています。会社は詳細を2026年3月中旬に開示予定としていました【要確認】。高い配当を出すこと自体が、株価対策の一環である可能性も念頭に置いておくべきでしょう。

🏭 会社側の言い分|中期経営計画(2026〜2030)

キビしめ視点でしたが、会社の言い分もきちんと見ておきます。フジコピアンは2026年3月5日に新しい中期経営計画を発表しており、前中計の未達をかなり率直に総括しています。

会社が挙げた反省点は「市場環境の変化に応じた戦略・戦術の見直しが後手に回った」「経営資源配分の最適化が不十分だった」という2点。そのうえで、計画期間を3年から5年へ延ばし、毎年見直すローリング方式を採用し、施策ごとにKPIと責任部署を設定、社長をリーダーとする事業戦略推進プロジェクトを立ち上げたとしています。反省の中身が精神論でなく体制論になっている点は、ワタシも好感を持ちました。

項目 2025年
実績
2026年
予算
2027年
目標
2028年
目標
2029年
目標
2030年
目標
売上高 8,475 9,000 9,300 9,800 10,400 11,000
営業利益 △230 150 300 500 750 1,000
ROE △29.2% 6.7% 2.6% 4.6% 6.1% 7.3%

※単位:百万円。2026年3月5日発表の中期経営計画より。

会社自身がこの表で語っているとおりです。2026年のROE6.7%は政策保有株式の売却によるもので、2027年には2.6%まで落ちる——これは会社が正直に開示している数字です。売上110億円・営業利益10億円という2030年の到達点も、2022年12月期の売上98億5千1百万円・営業利益5億4千5百万円と比べれば、決して背伸びした目標ではありません。

つまり会社は「一時的に配当を厚くしつつ、本業を5年かけて立て直す」という絵を描いており、その説明自体は一貫している、とワタシは受け止めています。

📈 株価と投資指標

基準株価は2,523円(2026年8月17日時点)で計算しています。

指標 数値 計算根拠
配当利回り(会社予想) 6.74% 170円÷2,523円
同(新株予約権全行使時) 5.51% 139円÷2,523円
同(四季報予想ベース) 4.68% 118円÷2,523円
PER(会社予想) 3.1倍 2,523円÷814.51円
PER(四季報予想) 6.3倍 2,523円÷398.3円
PBR 0.45倍 BPS5,562円(自己資本8,604百万円÷1,546,936株)
100株投資額 252,300円 2,523円×100株

PER3.1倍という数字は、そのまま受け取ってはいけません。分母のEPS814.51円には株式売却益が丸ごと入っているからです。

ためしに一時要因を外して考えてみます。通期の経常利益予想3億6千万円に仮に税率30%を当てはめると純利益は約2億5千2百万円、期末株式数1,546,936株で割ると1株益は約163円。この場合のPERは約15.5倍になります。あくまでワタシが仮定を置いた試算ですが、「実力ベースでは割安ではない」という感触は掴めるかと思います。

💡 ペリカン投資基準との照合

基準 評価 コメント
好財務 ⭕️ 自己資本比率63.6%、実質ネットキャッシュ約16億円
配当方針が明確 🔺 配当性向30%以上・下限DOE1.0%と明確だが、今期予想は試算で約20.9%と方針を下回る【要確認】
中期経営計画 ⭕️ 2026〜2030の5カ年計画あり。反省点と体制の見直しも具体的
配当利回り4%超 ⭕️ 6.74%。ただし一時原資による今期限りの可能性
PER15倍以下 🔺 表面上3.1倍だが、特別利益を除いた試算では約15.5倍
ROE 四季報予想7.6%、会社中計では2027年に2.6%まで低下。10%には遠い

📝 ペリカンの結論

投資判断:購入見送り ❌

利回り6.74%、PER3.1倍、自己資本比率63.6%。数字の並びだけ見れば、高配当株ハンターが飛びつきたくなる銘柄です。実際、ワタシの投資基準に照らしても⭕️が3つ付きました。

それでも買わないと決めたのは、この配当が「本業で稼いだお金」から出ていないからです。

今期の170円配当を支えているのは政策保有株式の売却益10億5千8百万円。そして会社自身が「2026年12月期中を目処に保有ゼロ」と宣言しています。売り切ったあと、何が残るか。会社の中期経営計画が答えを書いてくれています——2027年のROE目標は2.6%。四季報の2027年12月期予想も純利益120百万円、1株益78.3円です。

ここから170円の配当を続けるのは、常識的に考えて難しい。今の6.74%は「利回り」というより「特別配当」に近い性質だと考えています。高利回りに惹かれて2,523円で買い、翌期に配当が40円台に戻ったとしたら、利回りは1.6%前後まで沈みます。

自分の基準を自分で破らない、というだけの話です

ワタシがこのブログで繰り返し書いてきたのは、「表面利回りではなく、その配当がどこから出ているかを見る」ということでした。割引券タイプの優待を額面のまま利回りに足さないのも、増配の連続性を確認するのも、全部そこに繋がっています。

フジコピアンの170円は、まさにその物差しに引っかかる配当です。ここで「でも6.74%だし」と買ってしまったら、これまで書いてきたことが全部おかしくなります。

加えて、ワタシの基準表で6項目中3項目に⭕️が付かなかった点も無視できません。とくにROEは、四季報予想7.6%・会社中計では2027年に2.6%まで低下という水準。ワタシがROE10%超を目安にしてきたことを考えると、ここは妥協するところではないと判断しました。3年連続営業赤字からの回復途上であること、上場維持基準の改善期間中であることも、新規で資金を入れる理由にはなりません。

会社を批判したいわけではありません。財務は明確に改善しましたし、本業も営業黒字に転換しました。中期経営計画が前回の失敗を体制の問題として捉え直している点には誠実さを感じます。ただ、「応援したい会社」と「今買う銘柄」は別物だというだけのことです。

ワタシが購入を検討する条件は、次のいずれかが見えてきたときです。

  • 営業利益率が5%を超え、本業の利益だけで配当を賄える水準になったとき
  • 政策保有株式の売却が一巡した後も、継続的な配当方針が具体的に示されたとき
  • 上場維持基準への適合の目処が立ったとき

結論:見るべきは「利回り」ではなく「営業利益」。今回は見送り、ウォッチリストに入れて次の決算を待ちます。

📚 最後までお読みいただきありがとうございました

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📚 出典

  • フジコピアン株式会社「2026年12月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年8月10日)
  • フジコピアン株式会社「中期経営計画(2026〜2030)策定に関するお知らせ」(2026年3月5日)
  • フジコピアン株式会社「2025年12月期決算説明および中期経営計画(2026〜2030)」説明資料(2026年3月5日)
  • 株価:2,523円(2026年8月17日時点)

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